【シーグル視点・R18】寡黙な騎士をこの手に抱いて2

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 結局、薬が反応する事はなかった。  俺はそうだろうと思っていた。出生率が上がったとはいえ、百発百中じゃあるまいし。  だが意外にもルーセンスが項垂れた。抵抗するのかと思っていたが、案外期待もしていたのかもしれない。 「気にするな」 「すみません」 「何故お前が謝る。竜人の子はそれほど簡単にはできない」 「貴方にスキルを付与されたのに」 「レベル20程度じゃお飾りのようなものだ。ないよりマシ程度の事で落ち込むな」  案外可愛いことにこだわる。  笑って、改めてルーセンスを見上げる。  なんとも可愛い、俺の恋人を。 「これから時間をかければいい。これから俺は、昼も夜もお前を離すことはないんだからな」 「え?」 「お前は俺の近衛だ。昼間は騎士として、夜は恋人として隣にいればいい。そうしてくれるだろ?」  問えばルーセンスの瞳から蕩けたような熱が引いて、精悍な色が戻ってくる。引き締まった表情が俺を見つめ、確かに強く頷いた。  そのうち、この屋敷はまた賑やかになるかもしれない。  俺の残像と重なるように、俺の子がこの屋敷を走り回る。そんな日は案外、遠くはないのかもしれないな。
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