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暗殺を生業としてきた私の隣で、このように無防備に眠る人は今までいませんでした。大概が翌日冷たくなっていましたからね。したのは私ですが。性すらも武器として生きてきた者にとって、こうして毎日隣にある温かな存在というのは貴重です。
この人は、初めて私を必要としてくれた人。私に「愛している」と言ってくれた人です。
産まれた事すらも秘匿とされ、戸籍もなく、死のうが生きようがそもそもの存在すらも認められていなかった私は、この異世界で初めて人としての扱いを受けました。
何でも無い事に驚き、戸惑う私にアルファードが戸惑っていましたね。
だからでしょう、私はこの人の為に生きたいと、初めて人らしい感情を持ちました。
当時この人にはとある呪いがかけられていました。愛した人と子を結ぶ時、その子を宿した母体は子を産むと同時に死ぬ。しかも、凄惨な死です。
私もまさか心臓を握り潰されるような死に方をするとは思いませんでした。貴重な体験でしたね。
その呪いを知らず、最初の伴侶と死に別れ、同時に子まで失った人を半分脅すような形で子を産んだ私は、死んで呪いの元凶となった人と会うことができました。
その人は天人族の祖である神。アルファードの対となる人でした。
どんな堅物かと思えば、とても弱く優しい人で、思わず感情のままに呪いをかけてしまったがために解きたくても解けないと泣いていました。
感情の複雑さがそのまま呪いの複雑さとなり、込めた感情の波がそのまま呪いの強さになってしまった。
しかもアルファードも最初の伴侶を亡くした時に怒り任せにこの人の肉体を吹き飛ばしてしまったらしく、体の再生が追いつかなくて表に出る事もできない。
神の領域でエグエグと泣く人を宥めて、一緒に絡まった呪いを解いてようやく、二人の神は和解しました。
私の今の体は、元々が天の神が自らの器として再生させていた肉体です。それに私を移して、今現在アルファードの側にいることが叶っています。
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