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こうしてシーグルが産まれて13年、今では3人の孫が出来ました。
喜ばしい事にマコトさんのスキルは産まれた子にも引き継がれているそうです。
この子達が将来的には、竜人族を救う一つの希望となってくれる。そう思うと、今からその成長が楽しみです。
今、私たちはユーリスの屋敷で孫達の面倒を見ています。
マコトさんに、4人目の子が生まれるのです。
マコトさんのスキルは経験値を積むと更に上がりました。特に出産に関するスキルが飛躍的に伸びて、今では初産のような苦痛は少なくなっています。
陣痛が始まって3時間、分娩室に入って、30分が経とうとしている時、控え室の扉を開けてリーンが可愛らしい赤ん坊を抱いて入ってきました。
「女の子ですよ」
愛らしいふっくらとした頬の子は、どこかマコトさんに似ています。
新しい兄弟が生まれて、孫達も幸せそうに触れている。
ユーリスも安堵したような表情で入ってきて、頷いた。
「マコトさんは?」
「元気ですよ、母上。出血も多くはなかったし、治療も済んだ。授乳も終わったから少し寝ると言っていました」
「そう。本当に逞しいわ」
今日は1日婆がついていると言っていたから、そちらは問題がないでしょう。
ユーリスも慣れたように赤ん坊を抱き上げ、小さな手に自分の指を絡ませている。
「名前は決まったのかしら?」
「あぁ。フランシェとつけたよ」
「フランシェ! 愛らしい名ね」
新し産まれた子を愛おしく見つめ、私も幸せを噛みしめています。
竜人族でこんなにも沢山の孫に囲まれる幸福を得られたのは、きっと私と旦那様だけ。
これも全て、マコトさんがユーリスを愛してくれるからです。
「でもユーリス、あまりマコトさんに負担を掛けてはいけないわよ」
釘を刺すように言えば、ユーリスは顔を赤くして、そして確かに頷いたけれど、きっと直ぐに忘れるのでしょうね。
なんにしても、愛情深い息子夫婦がいつまでも睦まじくいられることは、私に取ってなによりの幸せです。
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