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どのくらい時間がたったのだろう。
眠っていたらしくて、気づいたら部屋の中には柔らかな明かりが灯っていた。
そして側でユーリスが、ずっと俺の頭を撫でてくれていた。
「大丈夫か、マコト」
「ユーリス…」
「体調を崩したと聞いたが…違う事だね」
俺の顔を見て、ユーリスは気づいたみたいだった。俺が悩んでいる事に。
「マコト」
「ユーリス」
抱きついて、抱きしめられて少しだけ落ち着く。
いや、奥の方ではズキズキしてる。
でも、考えたんだ。
俺、産める間に沢山産まないと。
俺のスキルを子供達も継いでいる。この子達が将来、竜人族をきっと救ってくれる。
それなら俺に残せる事は沢山子供産んで、より沢山の希望を繋ぐ事なんだ。
俺は抱きついて、キスをした。
驚いた顔のユーリスは、それでも受け入れてくれる。
泣きながらキスなんて、本当に迷惑だと思うけれど。
「ユーリス、俺、もっと子供欲しい」
「マコト?」
「もっと産むから、だから…」
「マコト!」
ユーリスの手が俺を引き留めて、次に強く抱きしめてくれる。
俺、やっぱりこの腕が好きだ。この人が好きだ。家族が好きだ…。
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