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「シーグル兄ちゃ~ん、抱っこぉ!」
「だめぇ! 兄ちゃんはアタシの!」
「兄ちゃん、一緒に木登りしよう」
「違う! 兄ちゃんは俺と一緒にかくれんぼするんだ!」
「違うもん! 兄様は私とおままごと!」
「うわぁぁぁん」
「ぴいぃぃぃぃ」
なんたるカオスだ…。
妹や弟が7人、何一つ要求が被らない。
シーグルは頭が痛い気持ちだった。母と父が励んだ事と、母の特殊な高レベルスキルがこの状況を作っている。
兄弟が一気に7人。そのお世話が俺の楽しみであり、苦悩だ。
「えっと…かくれんぼはお昼ご飯食べてからにしような。まずは…おままごとにしようか」
とにかく要求が多いから、弟3を抱っこし、妹2をおんぶ。妹1とおままごとをしつつ、弟1&2が木登りをしているのを見守っている。
俺は子育て真っ最中な父役をしているから、その間にまだ赤ん坊の妹3と弟4のおむつを取り替えて寝かせるようにトントンしている。
母はこんな男性の事をなんて言ってたっけ……イクメン?
「あなた、子供にばかり構っていないで私の事も構ってくださいな」
「え? あぁ、ごめん」
「もう、困った人だわ」
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