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「七瀬ちゃん、今日さ飲みに行かない?」 同じ給食センターの2つ上の先輩、檀野さんに話しかけられた。 「無理ですよ。私、娘居るんで。前、言いませんでしたか?」 「え?言った?もう食材と一緒に必要な記憶も放り込んで煮込んじゃったのかもー」 「何ですか、それ」 「嫌な記憶は鍋に放り込む!って意味よ」 「ま、今度行こうよ。娘ちゃんも一緒にさ」と言いながら檀野さんは更衣室に行ってしまった。 檀野さんは、和が死んでから不安定だった私をすごく気にかけてくれてて。 本当に優しい人だ。
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