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場面5
香月「で、旦那はどんな人だったの?」
坂井「やっぱり聴いてなかったんですね、この間言いましたよ」
香月「ああ、ごめんって」
坂井「・・だから、自分勝手であたしの話なんて全く聞いてなくて、子どものことも構いもしなかった最低な男です」
香月「なんでそんな男と結婚したの?」
坂井「だからそれが分かれば・・・。いや、好きだったんですよ結婚した時は」
香月「そんな男が」
坂井「彼しか見えてなかったんで。・・ていうか、香月さん高校生の時どんなんでした?」
香月「高校時代?・・・えー、いたって普通っていうか」
坂井「楽しかったですか?」
香月「まあそれなりにね」
坂井「良いですね。あたしは苦しかったです」
香月「苦しかった?」
坂井「ずっと目立たないように、邪魔にならないようにってことしか考えてなかったです。それでもあたしに優しくする人なんていないんですよ?卒業して、あの人に優しくされて・・・好きになります、どんな男でも。」
香月「・・・」
坂井「弱い者を苦しめる人が嫌いです。」
香月「弱い者・・・」
坂井「あたし頭良くないけど、弱い者を守れる人になりたいんです。」
香月「・・・」
坂井「あー、ごめんなさい。話がそれましたね。」
香月「いや、全然大丈夫。お茶、もう一杯飲む?」
坂井「あ、はい」
香月はカップを持ってお茶を入れに行く(捌ける)。
ヤマカワ・タカハシ出てくる(照明変化)、坂井捌ける
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