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僕はその封筒をポケットに突っ込んで、彼女の手を強く握る。
「もう少しで救急車がくるから!」
そう言った時聞こえてきたサイレンの音が、僕を少し落ち着かせてくれた。
しばらくすると慌ただしく救急隊員がやって来て、彼女を担架に乗せてくれる。
僕は救急車に同乗し、病院に向かった。
病院に着くとすぐに彼女は手術室に運ばれて行った。
それを確認すると僕は1度病院の外に出て、スマホを取り出し電話をかける。
担当マネージャーに事の経緯を説明すると、今すぐに向かうと言ってくれた。
僕が突き落とした訳では無いが、僕を助けようとして落ちた事は間違いない。
僕1人でなんとか出来る問題でもないし、正直パニック状態になっていたので助かった。
すぐにまた病院に戻ると、手術室の前の椅子に腰掛ける。
助けに向かったはずの自分を助けて彼女が大怪我をするなんて...。
彼女の容態を考えるのが怖くてカタカタと震える。
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