歩道橋の上で

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「そんなに気になるんなら見に行ってみれば?声をかけなくても近づけば顔くらい見えるよね」 確かに声をかける必要はないんだ。 「そうですよね...、次見かけたら行ってみようかな」 僕が決心してそう言うと、智さんは優しく笑った。 「ま、でもあんまり深入りはしない方がいいかもだけど。上川くん巻き込まれ体質だから」 「せやなぁ...」 どういう意味だろう…。 「よくわかんないんですけど...」 「わかってからじゃ手遅れだから、気をつけてね」 「隼人は剛にちょっと似てるところあるからな」 僕と剛さんが似てる...? 剛さんは、蒼衣さんと≪3codes≫というユニットを組んでいる可愛らしい系のイケメンで、つい先日智さんと結婚した人だ。 人見知りが激しいのだが、後輩にはとても優しく面倒見がいい。男女問わず人気があり、蒼衣さんとはまた違った色気を持つ素敵な人だ。 「僕と剛さんじゃ、似ても似つかないですよ?」 僕が納得出来ずに首を捻ると2人は顔を見合わせて笑った。 「まぁ...上川くんはアオほど鈍くないから大丈夫かも」 智さんの台詞にまた蒼衣さんがギャンギャン言い出したが、僕は益々頭を悩ませるのであった。
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