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「好き……ですよ。あなた無しでは生きた心地がしないほどに……」
彼女は顔を赤らめてそう言うと、私は思いの丈を解き放った。
「嘘をつくな!君は私から情報を得るために私に取り入り、好きなど言って私の心に入り込み、用済みになったら殺すつもりだったんだろ!私も同じ軍人だ!甘く見るなよ!」
「……どうして、そんな酷いことが言えるの……私はただ純粋にあなたの事が好きで……」
彼女は泣いていた。顔を真っ赤にして目から無数の水滴をこぼしていた。私は彼女が嘘を言っているとは思えなくなってしまった……人間じゃない私は彼女の涙の理由を様々な専門知識から答えを導き出そうとしたけど答えが見つからず、ただ自分の心が嘘じゃないと言っている根拠のない答えが妙にしっくりきた。言わないといけないな……真実を……
「君を傷つけてごめんね。私は君に言わないといけないことがあるんだ……だから、目を逸らさずに聞いてくれるかな?」
「はい、どんなことでも全て受けいれます。私はあなたのことが好きですから……この気持ちは決して変わりません。だから、安心して言ってください」
彼女は満面の笑みでこちらに視線を向けてくれた。その視線が私に勇気を与えてくれる。私が未来に向けて歩き出す勇気を……全てが崩れてしまいそうで怖くて踏み出せなかったその一歩を彼女が踏み出させてくれた。
これから話すことは彼女にとって衝撃的な真実かもしれない。でも、彼女なら私の言葉を受け入れてくれる、そんな気がした。
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