由々しき事態

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「もしや、私をアンインストールして初期化しようとしてますか?」 「ギクッ!?」  私はAIが発した言葉に動揺した。何故私の行動が分かるのだろうか?私は視線を上げてAIのコンピューターを睨みつけた。 「そのようなことをすれば、私が集めた軍内のスキャンダルを軍内外問わず公表しますよ?この意味が分かりますよね?少佐殿」 「分かった。だからそれだけは勘弁して……」  私は両手を合わせてAIにお願いした。このAIには敵国のデータ収集だけでなく軍内の問題に対して調べるシステムが搭載されている。原則、軍内で問題があれば全て将軍の所に報告されるが、報道されるのは報道しても問題ないものだけになっている。  だから、みさかえなく公表されでもしたら我が軍は内外から強烈な批判に晒されて解体が余儀なくされるだろう……まさかAIに脅される日が来ようとはな……  だが、しかしまだこちらに万策尽きた訳じゃない。このウザイAIには何もする事が出来ないかもしれない。でも、その女スパイには出来るよな~?我ながら軍人として非情だなっと心の中で笑った。
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