由々しき事態

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 いや、待てよ?今までの流れからして何か解せないな。まず、何でAIは敵国のスパイと内通を取っている?恋をしたからだけなのか?それに両想いならその女スパイを我が国A国に寝返らせようとは思わなかったのか?このAIは?そうだ。良い方法を思いついたぞ! 「なあ、一つだけ訊きたいことがあるんだけど」 「なんですか?」  私は地面に身を任せていた足を立ち上がらせ、自信満々に胸を張った。この方法がAIに通じるか分からないが、こちらも諜報部、情報を聞き出すこと以外にも得意なことがあるんだぜ!それを今から見せてやる。 「お前はその女スパイの事が好きなんだよな?じゃあ、向こうもお前の事が好きなのか?」 「当たり前です。私は人の思考パターンや読心術に長けています。この私が判断したんですから間違いありません」  スピーカーから発せられた声は自信満々そうに生き生きしていた。だがこの言葉を聞いて私は確信した。こいつにもこれは使えるな…… 「では、何故向こうは我が国に亡命しないんだ?お前の事が好きなら我が国に亡命し、我が国に忠誠を誓うはずだろ?」 「それはきっと何か事情があって……」  スピーカーから発せられた言葉は今までのより弱々しく頼りないものだった。これならこの2人の関係を壊せるぞ!
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