由々しき事態

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「お前は利用されただけじゃないのか?我が軍の情報を聞き出す為に……」 「そんなはずはない!我々は愛し合っていた!その証拠に我が軍の情報を発してないと提出したログに残ってない」 「確かにお前は軍人であることを任務中は隠していたし、お互い正体知ってからの内通中の時のログも決して我が軍の情報を出していない。だがね、情報というのは具体的でなくとも聞き出すことが出来るんだ。お前が発した言葉一つ一つに情報が入っているんだよ」  私の言葉にAIは黙り込んだ。我が国が研究費に1兆も出したAIは私の業の前になすすべなく敗退した。次作り出すAIには私の業が効かない奴にするように言っておかないとな。さて、フィナーレといきますか…… 「もし、真実が知りたいのなら彼女ともう一回会って確かめればいい。お前の心を傷つけたその女スパイに」 「了解しました……少佐殿……」  その言葉を聞き終え、私は諜報部に作戦の伝令を行った。これから数日後のN国において行われる二人の密談の盗聴、並びに盗聴後の女スパイの暗殺を行う作戦を……
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