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想いでの重み
平屋の一軒家。少し広めの庭に面した縁側で、柔らかい秋の日の光を浴びている姿。
ぽかぽかとした陽気に、しわになったおでこと鼻の頭に陽の光が差し込み少し暑さを感じなら。白と茶の猫(仮名)ミケを膝に抱いて背中の毛を優しくなでている。
ミケは私に背中の毛を撫でられるのがとても好き。いつもそうしていると目を細め首を下にしてミケの重さが膝の上に感じる。
何をする訳でもなく、ただ縁側で座り陽の光を浴びているだけの私。
孫娘がプレゼントしてくれたセーターを着て、気持ちよさに目をつむると
目に出てくるのは、孫たちの笑い声とその笑顔。
最近はみんな大きくなって・・・・お年頃というんでしょうね。あまり時間が取れなくて顔を見る機会がめっきりへってしまった。
でもあの子たちの小さい頃のかおは今でも目に焼き付いている。
そして私は、あとどれくらいまであの子達の傍にいてやることが出来るんだろう。
そんな事を心の片隅に密かに抱えながらやがて来る、時分への旅立ちの日に備える。
今まで本当にいろんなことがあって起きてそれを乗り越えて来た。
でも今はそれは辛い思い出のはずなのに、なぜか懐かしい思い出に変わっている。
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