引きよされる運命

4/6
前へ
/137ページ
次へ
「何って、女の子はいろいろもの入りなのよ。それにみんなの分の「旅のお供セット」も持ってきたんだから・・・・」 「旅のお供セット???なんだそれ」  彼女は新幹線の中でみんなで食べられるように、スナック菓子やおつまみをごっそり持ってきていた。ビールとタバコがひそかに忍んでいることは暗黙の了解ということで・・・・ 「そうそう、出がけに兄貴がさぁ旅に出るんだったら、これも女の子のたしなみだぞって渡してくれたんだけど。これ何なの?みんなで風船でもしろっていうの?」  不思議そうな顔をして優子は、肩掛けのバックから小箱を取り出した。 「楽しい人生を踏み出そう・・・0.01mm6個入り」 「あっ」実来が思わず声を漏らし 「ば、ばか、お前それ」  唯人が慌てて取り上げようとした。  優子はそれをひょいとかわした。 「だから、何なのよ これ!」  実来が優子の耳に口を当てごにょごにょと小声で話し出した。  優子はそれを聞きながら次第に顔を赤らめていった。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加