第2章 私を朝まで抱いていて

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晴馬がまた、驚いて固まった。 あの頃、お揃いで買ったTシャツと、いつも履いていた短パンを着ていたから。 19歳の私が8歳の頃と同じ格好をして、髪型をして、芝生に腰を下ろして仰向けに寝転んだ。 晴馬が追いかけてきて私のすぐ隣に寝転んだ。 2人でこうやって見上げた夜空を、今も鮮明に覚えてる・・・。 「タイムスリップしてるみたいだ・・・」 晴馬がつぶやいた。 「・・・ちょっと、恥ずかしいけど。あの夜は全部忘れられなくて・・・」 私は当時を再現するようにうつ伏せになって肘をついた姿勢で、晴馬の顔を覗きこんだ。
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