第2章 私を朝まで抱いていて

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私のことを小さな子だと思いながら、ほんの少しでもちゃんと異性として意識してくれていたと知って、身体が震え出した。 キュンと胸が締め付けられて、思わずため息が零れ落ちると晴馬は頭を持ち上げるようにして、私にキスした。 三つ編みを引っ張られたまま、頭の後ろを掴まえられたまま、晴馬が色っぽい顔で唇を甘噛みしてくる。舌先を触れ合わせると、ゾクゾクという快感が全身に広がっていった。甘くて、珈琲のフレーバーを感じながら、互いの呼吸と舌が絡み合う。 チュっと音を立てて、少し距離を置いた晴馬がうっとりするほど優しい笑顔を見せて言った。 「10年待って、こうしてキスが出来て、俺すっごく幸せ」 私は胸が熱くなって晴馬に抱き着いた。重なった身体中から鼓動を感じる。 晴馬の体温が少し高い気がして、すぐにでも素肌をすりあわせたいという衝動を覚えたけど、今はまだ我慢だ。
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