勉強期間

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携帯を仕舞うと、一言二言会話を交わした後に雷帝が歩き出すので、受付嬢に頭を下げて雷帝に着いて行こうとすると何やら怒鳴る受付嬢。 顔を見ればスッげぇ怖い顔で睨まれてた。 「チッ‥‥」 何か雷帝が舌打ちをして受付嬢に話し掛けると、雷帝に腕を掴まれ引っ張られる様に奥へと進んだ。 その後も受付嬢には睨まれたままだし、受付嬢の大声の所為で周りの視線を集めてしまい居心地最悪。 「まったく。仕事熱心なのは認めるが、頭が硬いのが難点だわ」 愚痴を日本語で言うとか、説明のつもりなんだろうか? つまり、仕事熱心な余り見知らぬ俺が奥に行く事を警戒しての事って事か? 「これで余計にお前は外に出れなくなっちまったな」 注目を集めた上に、雷帝と一緒に居た事で下手な言い訳が出来ないと。 「面倒ですね」 「まったくだ」 人気が無い廊下たがらか、俺が喋った事には言及せずに、同意するため息が吐き出された。 廊下を曲がり、短い廊下の突き当たりの扉をノックする雷帝。 『雷帝だ。入るぞ』 『ああ、どうぞ』 理解出来ない言葉に、こんな軽いやり取りとは知らずに俺は雷帝に続いて部屋に入りドアを閉めて雷帝の斜め後ろに立った。 『彼は?』 『ああ、空間の歪みに駆け付けたらコイツが居た』 『では彼は異世界人?』 『ああ、だから言葉が通じないぞ』 「おっと、失礼したね。 この言葉なら通じるのかな?」 「あっ‥‥はい。大丈夫です」 「今までの異世界人と同じ言語で良かったよ。 で、君の名前を聞いても良いかな?」 「はい。 西牙武です」 「サイガ・タケルか。 雷帝から聞いてるかな?異世界人だと知られては為らないって事は」 「はい。聞いてます」 「なら、これからはタケル・サイガと名乗る様にね。 本当は名前も変えて欲しいんだけどね。今までの異世界人が子供に異世界の名前をつけたりして、意外にポピュラーな名前に成って来たから、まあ良いんじゃないかな? なあ雷帝」
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