第一章

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第一章

突然降り出したどしゃ降りの雨。 その雨に混じって、どす黒い雨雲から何かが落ちてくる。 鳥だ。 無数の鳥たちが巨大な雹となって、下校途中の生徒たちに降りかかった。 一斉に逃げ惑う中、夏越(なごし)の手を取り、ひとりの少女が走り出した。 「こっちよ!」 鞄で頭を庇いながら、カーテンのような雨の滝を何重も潜って行く。 その度に、大気が揺らいで肌に触れる何かが変わった。 どこをどうしてたどり着いたのだろう。 夏越が少女に連れられたのは、見知らぬバス停の小さな待合小屋だった。
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