1人が本棚に入れています
本棚に追加
【欠けたピース】~伝記第10章~
ある日 突然 姿を消したミー。
「おかあさん、ミーちゃんは?」
『捨ててきたゎ。ボケてきて
あちこちで おしっこするから』
雷に撃たれたような感覚で
しばらく 動くことも出来なかった
止まらない涙の大洪水
私の心友だったのに…
「ひどい!返して!ミーを返して!」
初めての口答えに キレる母
『誰が 布団洗ったりすると思ってるの』
『まったく 何回も 何回も』
『やってられんゎ。』
家を飛び出して 探し回る
何時間も 何時間も
塾もサボって 走り回る
捨てた場所を教えてくれなかったから
見つからず 帰ったとたんに
母のカミナリ落ちたけど
口答えする気力もなく
ベッドの中で 泣きじゃくる
翌朝 母の口から出た言葉
『ミー 帰ってきたゎ。』
「ホントに?どこにいるの?」
喜んだのも束の間に 母の言葉が
鋭く刺さる
『死んだゎ。夜中に帰ってきて
外に放り出したら 前の道路で
車に 轢かれて 』
泣いた。泣いた。泣いた。泣いた。
もう 逢えない。
もう抱きしめることも出来ない。
おかあさんがごみ袋に入れて
捨ててしまったから…
(返して…)
☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆
この時 初めて 母に対して
【憎しみ】を覚えた
私も そのうちに捨てられるんだと思った
最初のコメントを投稿しよう!