真侑×ルミ

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王子様はどんな我が儘にスッと対応し、要求を叶えてくれる最高の紳士。 大きな器は何もかも受け入れて女の子の醜い気持ちも可愛いものに変えてしまう。 ほら、こんなにも優しい眼差しで私を見てくれている。 「ルミちゃんは僕が好き?」 一気に血の気が引いて鼓動が加速し出した。 真侑がバラしてしまったの? それとも態度に出て気づかれた? 余裕の無くなる自分の心がすごく気持ち悪い。 「…友達として好きだよ」 努めて平然に答えた。 この気持ちは告げるつもりなんてないから。 むしろ本人には知られたくない。 ルミの心の中で静かに大切にできればそれで良いの。 もし麻耶くんに他に好きな人がいても、その人と結ばれてしまっても麻耶くんの存在と麻耶くんの幸せがあればルミはそれで良いの。 「ううん、ルミちゃんは違う意味で僕が好きなんだよ。この狂ったお姫様が王子様に向ける感情と同じものを僕に抱いている」 ぎくりと肩が揺れた気がして隣に掛ける麻耶くんにこれ以上近づいて欲しくないのに、2人掛けの腰起きには余計な隙間などない。 逃さないと言わんばかりに麻耶くんはルミを追い込んでくる。 いつものお気に入りの図書室のスペースとは思えない程に張りつめ、まるで容疑者の事情聴取をするかの様な雰囲気が漂っていた。     
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