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「その時は仕方ありません。その対策として、現金は最低限度の金額を持ち歩く様に心がけて下さい」
「そうですね・・・。財布にあるだけ全部取られる事が多いですし」
八雲は再び石田に向き直ると、語り出した。
「全く行くなと言うのは、まず無理だと思うので、なるべく行かない日にちを延ばして行きましょう!毎日薬も服用していれば、そのうち行かなくても大丈夫な日が来ると思います」
「そうですか!ありがとうございます!!」
石田の表情に明るさが戻ると、二人に頭を下げた。
「それでは、お大事になさって下さい」
八雲の言葉で石田は立ち上がると、再び二人に挨拶をして診察室を出て行った。
「それにしても、藤島先生は随分とお詳しいんですね?パチンコの事・・・」
イタズラめいた口調で、冴が八雲に話しかける。
「まあ私も何度か付き合いで、行った事はある。それに知り合いの刑事で足をよく運んでいる人がいてね。話しを聞くのさ、悪い裏情報も」
「ふ~ん、そうなんですね。藤島先生はいろんな人と付き合いがありそうですもんね」
冴の振りに八雲は微笑んで見せた。
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