欲望と音の調べ

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「御意に!岩城さん、天海殿はまだ学生なので出来れば週末だと有難いのですが・・・。よろしいですかな?」 「いえ、こちらは大丈夫です!そちらのご都合に合わせますので」 「分かりました。明日にでも詳しい連絡を差し上げます故」 これで私の週末の予定は埋まってしまった。お勤めだから仕方がないのだが・・・。 その後岩城さんを見送ってから、雲海様の部屋でノートパソコンを使い"三光真教"について調べていた。 雲海様を囲む様に私と音々、黒猫のハナも一緒になって画面を覗き込む。 「おぉっ!?三光真教のホームぺージありますね・・・。最近の新興宗教というものは、ネットの活用も上手いですな」 雲海様は感心しながら、マウスを動かす。 「ほほう・・・。"加速する現代社会の闇!!三つの光で貴方を幸福へと導くマコトの神業!!"三光真教"」 「なんだかよく聞く見出しね」 雲海様が読み上げた見出しに、音々が文句をつける。 「まあ、確かに。この新興宗教のどこに、信者は魅力を感じているのだか」 雲海様は一人呟きながら更にマウスを動かし続ける。 そこへ教祖"マコト"のプロフィール画像が出てきた。 「おおおっ!!!」
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