52人が本棚に入れています
本棚に追加
/170ページ
「音々殿は五行師の末えい、姉の奏様よりお預かりした身。故に危険なマネはさせられませぬ!」
「大丈夫!天海もいるし、変な霊能者や悪鬼なら問題なかろう」
音々は余裕の表情を見せながら、ハナを抱き上げた。
「それにお姉様は行方知れず。会うことも出来ない。もはやどう行動しようが私の勝手」
そしてハナの頭を撫でながら、雲海様に語り続ける。
「それとも雲海様は知っておるのか!?姉上の居場所を!!?」
鋭い視線を向ける音々に対して、雲海様は押し黙った。
「音々殿がそこまで言われるのなら止めはしませぬが、あくまで自己責任ですぞ!!」
「分かっておる」
良かった。私は内心ホッとしていた。
得体の知れない集団に私一人はあまりにも心細かった。
音々も一緒なら安心して、三光真教に潜入出来る!!
「それじゃあ、今週末にでも岩城さんのお宅へお伺いした際、奥様に三光真教の本部へ案内してもらいましょう!!」
雲海様はそう話しをまとめると、音々はハナを抱いたまま部屋を出て行った。
「私もそろそろ帰ります」
「天海殿もご苦労でしたな。お気をつけて帰りなされ」
雲海様は玄関まで私を見送ると、私は日岩寺を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!