欲望と音の調べ

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「音々殿は五行師の末えい、姉の奏様よりお預かりした身。故に危険なマネはさせられませぬ!」 「大丈夫!天海もいるし、変な霊能者や悪鬼なら問題なかろう」 音々は余裕の表情を見せながら、ハナを抱き上げた。 「それにお姉様は行方知れず。会うことも出来ない。もはやどう行動しようが私の勝手」 そしてハナの頭を撫でながら、雲海様に語り続ける。 「それとも雲海様は知っておるのか!?姉上の居場所を!!?」 鋭い視線を向ける音々に対して、雲海様は押し黙った。 「音々殿がそこまで言われるのなら止めはしませぬが、あくまで自己責任ですぞ!!」 「分かっておる」 良かった。私は内心ホッとしていた。 得体の知れない集団に私一人はあまりにも心細かった。 音々も一緒なら安心して、三光真教に潜入出来る!! 「それじゃあ、今週末にでも岩城さんのお宅へお伺いした際、奥様に三光真教の本部へ案内してもらいましょう!!」 雲海様はそう話しをまとめると、音々はハナを抱いたまま部屋を出て行った。 「私もそろそろ帰ります」 「天海殿もご苦労でしたな。お気をつけて帰りなされ」 雲海様は玄関まで私を見送ると、私は日岩寺を後にした。
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