第三章

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その日は日曜日ともあって、沙織と加奈は市内の駅周辺へ遊びに出歩いていた。 二人は駅北へ出ると、街路樹とレンガ通りで整備された綺麗な街並みを歩き、環水公園へ向かった。 「スタバで、フラペチーノかな。加奈は?」 「私はアイスカフェオレ!」 環水公園にはスターバックスがあり、世界一景観が美しいお店と言われ、海外から観光客が立ち寄るなど有名なスタバだった。 特に夜は夜景が綺麗で、イルミネーションや建物から滝がライトアップされた状態で流れるなど、デートコースにはもってこいの場所である。 「沙織!!」 突然背後から彼女を呼ぶ声が聞こえて、二人は振り返った。 そこに立っていたのは、同じ高校で別クラスの沢田樹里(さわだ じゅり)と武田羅美(たけだ らみ)だった。 相変わらず、二人の私服も露出度が高く、デニムのマイクロホットパンツやミニスカート、キャミソールといった感じだった。 彼女達と通り過ぎる男性は、皆視線がいってしまうだろう。 「沙織、ちょうど良かった!!アルバイトの件、返事聞かせてよ!!」 妖しげな笑みを浮かべる二人に、沙織は気まずそうに苦笑いをした。 「まだ返事言ってなかった、ゴメン」 「沙織ぐらいの女の子だったら、いっぱい稼げるって!!」 樹里の言葉を濁す様に沙織は口を開いた。 「いろいろ考えたんだけどさぁ、私やっぱり…」 沙織の心情を読み取ってか、羅美が口を挟んだ。 「返事がなかなか来ないから、"JKパラダイス"に沙織の写メ投稿しちゃったよ」
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