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天海と音々、沙織の3人は八雲が個人開業した精神科、心療内科の藤島メンタルクリニックへ、学校帰りにやって来ていた。
天海達はスリッパに履き替えると、待合室へ入り受付へ向かった。
「沙織!?」
窓口の森山愛は沙織に気付くと、思わず声をかけた。
「愛ちゃん、お久し振り!!元気にしてた?」
沙織と愛は親戚同士で幼馴染みだった。
「元気だよ!!沙織は?」
「…元気じゃない」
愛は沙織の浮かない表情に、彼女が何か問題を抱えていると察した。
「沙織、藤島先生は今診察中なの。冴先生だったら時間空いてると思うけど、聞いてみようか?」
「本当!?冴先生忙しくない?」
「大丈夫!今聞いてみるから待ってて」
愛は受付の受話器を取ると、内線をかけた。
「受付森山です。冴先生お時間今大丈夫ですか?」
藤島メンタルクリニックで副医院長を務め、臨床心理士でもある冴美沙は、生活相談やカウンセリング、心理テストを行なっていた。
「今カルテの整理をしているけど、患者かしら?それとも生活相談の方?」
知的で落ち着いた冴の声が、彼女の耳元に入る。
「東京で私のストーカー事件に一緒にいた白石沙織さんです」
「あぁっ!!森山さんのあの可愛い娘ね!生活相談で良いの?」
冴の問いに愛は沙織へ視線を移すと、彼女にOKサインを送った!!
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