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それを見付けたのはほんとに偶然だった。
ただ、纏められた写真を母親の傍で気恥ずかしくも嬉しく感じながら眺めていたんだ。
小学3年の事だ。
たまたま母親が整理をし始めた押し入れの中に、かさ張るアルバムを仕舞い込もうとしていた矢先、ハラリと落ちた1枚を挟み込もうと広げた1冊。
真ん中できゅっと握りあった小さな手の僕と君。
僅かに女の子である君の方が背が高い。
同じくらいの大きさに見える重ね会い結んでいる手に、僕は少し恥ずかしくなった。
「近所の加枝ちゃんだわ。ほら去年、2年生の時も一緒だったわよね。年中さんの時のだわね……またいつか同じクラスになるといいわね」
などと母親は屈託なく笑い、アルバムを眺め続けて片付けはおざなりとなっていた。
保育園の頃の事など覚えていない。
それからの小学生時代だって、5年生の頃にまた同じクラスになったが必要最低限度の言葉しか交わさず、特に接点などなかった。
僕は人見知りという程でもなかったがお喋りに興じるようなタイプではなく、女子と仲良くふざけ会うというような人間ではなかったのだ。
それは今でもそうだと思っている。
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