てて

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君は専門学校を卒業して夢を叶えるべく希望する職に就いた。 忙しそうだが楽しげな君を応援していた。 その内僕も無事大学を卒業し、目指していた職ではなかったけど何とか就職する事が出来た。 互いに社会人となっても僕たちの関係は変わらず、でも順調という程でもなかったね。 仕事による生活時間の擦れ違い、約束を守れなかった事など何度あっただろう。 その度に口論となり、喚き会い、君を泣かせた。 喧嘩をするといつも後になって落ち込んだ。 君を泣かせた……その事が後悔の元だったけど、僕からは謝る事が少なかった。 いや、いつも謝るのは君の方が早かったんだ。 僕たちは一緒に居る事が当たり前のように感じていて、何度喧嘩をしようと別れるという選択肢を思い描かなかった。 隣に君が居る……当たり前で当然で必然な事。 だから結婚する事もごく自然の事のように思え、 「結婚しよう」 と何の前触れもなく、何の捻りもなく告げていた。 君が見開いた大きな瞳からポロポロと涙を落とし、真っ赤になって頷いてくれる。 君の小さく柔らかな手をとり、その細い指に指環を贈る。 触れた手の暖かさと君の笑顔は今も忘れてはいない。 僕はこの手の温もりを守ると誓った。
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