僕の恋人

愛しい人

とても心地のいい朝だった。

小鳥のさえずりで目が覚めて横を向くと、恋人の美咲が眠っている。

ボクは美咲を起こさないよう、その小さな唇にそっとキスをした。

美咲の薄い唇は少しだけ濡れる。

トイレへ行こうとベッドから体を起こすと美咲が目を開けた。

パッチリとした大きな目がボクを見据える。

「ごめん、起こしたね」

そう言うと、美咲はほほ笑んで「ううん」と、左右に首を振った。

「今朝は何を食べたい？　美咲は体が弱いから、うんと元気の出るものを作るよ」

「そんなのいいのに」

美咲は申し訳なさそうに眉を下げてそう言った。