第3章  謎の美少年 ”吉賀” .

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「すげぇ家だな」 吉賀は、再びカードを使った。玄関の扉が自動で開く。 広い広い玄関。奥まで続く廊下。 「吉賀君の家っていったいなに?」 「両親とも外交官だからね。要人のお客が多いから、綺麗にしておかないといけないんだって」 「そっか、それにしてもすごいな」 「まぁ入って入って」 小村は靴を脱いで家に上がり、吉賀についていった。 ある部屋の前に来て、吉賀が扉を開けた。 「ここが僕の部屋。どうぞ」 「これが部屋? 大きなテレビに、ソファー、部屋だけで俺の家よりでかいんじゃないか?」 「でもさ、学校から帰って、一人でこんな家にいたら、どう? 話し相手 いないしさ」 「そっか、俺だったら耐えられないかもな。というか、一人ってどういうこと?」 「さっきも言ったけど、両親とも外交官だから、殆ど、日本にいないんだよ。たまに帰ってきても、すぐに、またどこかに行ってしまう」 「じゃ、飯の支度は?」 「いちおう、午前中に、お手伝いさんが来て、準備してくれんだけどね」 「金持ちってのも、面倒なんだな」 「さぁ。座って、座って」 「こんな、いいソファーに座ると、汚れるよ」 「あ、そうだね。じゃ、シャワー浴びておいでよ」 「いいのかい?」 「ぜんぜん、後で、着替えを持っていってあげるから。廊下を出て右に向かっていけば、バスルームがあるよ」 「了解」
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