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「じゃ、まずは、ラジオ体操をするぞ。ちょっと、広がれ。」
土呂の言葉に、みんなは、少し間隔を開けて広がった。
「いち・に・さん・し、いち・に・さん・し」
「おらぁ、お前らも声だせぇ!」
「いち・に・さん・し いち・に・さん・し」
さすが、高校生になってまで、ラジオ体操をするとは。
「いち・に・さん・し いち・に・さん・し」
土呂は 50 cmくらいの長さの竹のような棒を持っている。
それを振り回しながら、ラジオ体操している生徒の間を通り抜けていった。
一人の生徒の前で止まった。
短パンにスソから、チラチラ見えている柄物の生地を、竹の棒で指した。
「ん? なんだこれは?」
「トランクスですけど」
「誰が、穿いていいと言った? 体操を止め!」
ラジオ体操は中断した。
「おい、お前ら、短パンの下に、何も穿くなと言ったろ。
日直、機能の連絡で伝えたのか?」
「はい、伝えました」
今週の日直当番の、青山が答えた。
「だったらなんで、短パンの下にパンツを穿いているんだ?」
「先生、さすがに、コレだけじゃ恥ずかしいよ」
「そのためのサポーターが、付いてるだろ」
「いいから、穿いている奴は今すぐ脱げ」
「嫌ですよ」
「女子もいるんですよぉ」
男子どもは口々に言った。
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