私の受難 再び

18/37
前へ
/37ページ
次へ
 普段の声のトーンから2つくらい低くした声で言う。戦意はまだ喪失していない。必死に奏を睨みつける。  早く立ち去れ。消えろ。失せろ。  でも奏の様子は何も変わらない。 「ねね。紹介してよ」  紗栄子の声が上ずる。ホント、みんなイケメンに弱い。 「紹介なんていらないから、勝手に持って帰っちゃってよ」  本心からの言葉だ。誰でもいいから、この男を私の視界から消して欲しい。出来るだけ早く。いや、今すぐにでも。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加