私の受難 再び
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普段の声のトーンから2つくらい低くした声で言う。戦意はまだ喪失していない。必死に奏を睨みつける。 早く立ち去れ。消えろ。失せろ。 でも奏の様子は何も変わらない。 「ねね。紹介してよ」 紗栄子の声が上ずる。ホント、みんなイケメンに弱い。 「紹介なんていらないから、勝手に持って帰っちゃってよ」 本心からの言葉だ。誰でもいいから、この男を私の視界から消して欲しい。出来るだけ早く。いや、今すぐにでも。
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