私の受難 再び

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 学食に一歩足を踏み入れた瞬間、背筋を怖気が走った。おかしい。何かがおかしい。理由は分からない。でも、本能レベルの警鐘が頭の中で鳴り響いている。  私は違和感の正体を探るべく、学食内を見渡した。  一号館にあるこの大学で一番大きな学食。一度に500人が食事を摂れると聞いたことがあるが、納得の広さだ。清潔感のある乳白色の壁紙。テーブルもイスも同色で統一されている。所々には観葉植物。高いのか安いのか分からないが、絵画も壁に貼られている。
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