私の受難 再び

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「だったら軽食にしたらいいでしょ? とにかく席取るよ」  しかしこれ以上は学食の中には入れない。いや、入りたくない。そういう事情があるのだ。 「きょ、今日はさ。うん、そうだ。そうそう。外に行こう。急に外で食べたくなっちゃった」  私の腕を引っ張って中へ中へと進もうとする紗栄子にあがなってみる。  立ち止まった紗栄子はあからさまなため息をついた。 「どうしちゃったの? さっき私の方が外に食べに行こっかって聞いたよね。そしたらあんた何て言った? 外には行かないよ。早く食べたいし、ファミレスもハンバーガーもサンドイッチも飽きたって言ったよね?」
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