第2章 助けを求める声

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 これは習慣で、特に見たい番組があるわけでもないのについ無人の空間に一人というのが耐え切れず、テレビの中の誰かと一緒に居る気分を味わいたくなる。私って案外、寂しがりやなのだ。  平日午後二時半の情報番組。  中継で誰かのお宅が火事で丸焦げになっている様子が映し出され、現地リポーターがたどたどしく状況をレポートしていた。  レポーターの背後の建物はどこかで見たことがある風景のように感じられた。  私は腰を下ろし損ねた間抜けな中腰状態で、テレビに噛り付いた。 「まさか……、そんな!!」 「助けて!!」  突然、背後に再び佐伯美貴の母親の霊が現れた。  はっきりとした大きな声で、「美貴を助けてあげて!!」と。  私は腰砕けのようにソファにへたり込んだ。 「美貴は? 無事なの?」  霊は悲しみの表情を浮かべたまま、消えた。
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