安田家

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伯母様一家が帰られ、何だかどっと疲れが来たが、待ちかねていた娘たちは、少しでも早く買い物に出掛けたいと言わんばかりに、片付けを手伝ってくれた。 疲れを言い訳にしてはいけないな、と重い腰を挙げる。 「パパ、お待たせしました。さぁ、行きましょ。」 リビングのソファで寝転がっている夫に声を掛ける。 夫は、スマホの画面を見たまま、こちらを見もせずに言った。 「俺、疲れちゃったから、お前らだけで行っておいで。」 ・・・空耳でしょうか? 疲れてしまったのは、こっちですよ! 貴方は、貴方の親戚で、伯母様に意味がわからないほど誉めちぎられながら、伯母様一家と一緒に素麺を啜っていただけでしょ! しかも、”お前らだけで行っておいで。”だなんて。 私たちは、疲れていてもなお、行きたいくらい、買い物に行きたくて、貴方を無理やり引っ張り出そうとしていたとでも? せめて、”行っておいで”じゃなくて、”行ってきて”でしょうが!!
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