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トラックは順調に富良野達を目的地へ向かわせる。
車中では鈴原が綾をケアしている。
阪井もじっと様子を伺っている。
二人の様子を見ていた富良野は急に不安な感情にのまれていった。
それは、彼自身の過去に起因するからだ。
富良野は両親が激貧で、ドヤ街を廻りつつ中学卒業と同時に日雇いの仕事を始める。
親の介護費用を富良野自身が負担したからであった。
富良野は誠実に生きていたものの貧乏であった。
悔しかった。
誰からも感謝されず、社会のゴミ扱いを受けていて、本当に自分なんて生きていてもいいのか、自問自答を富良野は繰り返していた。
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