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「富良野さん、ちょっと聞いてますか?」
鈴原の声で富良野は我に返る。
声のトーンから状況が悪化したのかもしれないと富良野は感じた。
「……すみません。聞いてなかったです」
仕方がないかもしれない、と鈴原は思った。
とても悪い情報だったから。
阪井はポケベルをしている。
「もう一度話します。奥さんが破水されました。今、阪井さんに頼んで車を止めてもらいます」
富良野は妻を見る。
コンテナに搭載され敷いていた布が濡れている。
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