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クリスマスにもらった、とても素敵なプレゼントって?
ヒューヒューと夜の冷たい風が入り込り、子供部屋のドアが開く。
ギシッギシッ。
足音の質感から父親だとわかり、少女は安心して侵入者の様子を伺った。
外気が毛布の中に入らないよう、くるまる。
もう一つは、パパをびっくりさせるためだ。
少女はにやけ顔で考える。
いっつも、私が眠っちゃった後に帰ってくるんだもん。
今日の夜は特別なんだし、いいんだもん。ね。
枕元で据わった目をさせた少女は、娘が寝ていないか様子を見に来た父親に頼み込む。
「ねえ、何かお話して」
「眠くないの?」
娘の声に驚いた父親がベッドの側でたじろぐ。
「ドキドキして全然眠たくない。明日の朝が楽しみで」
「そうか……なら、ちょっとパパが面白い話しをしてあげようか?」
「聞きたい!聞きたい!」
毛布から飛び出した娘の瞳は爛々としている。
「わかった、わかった。毛布にはくるまってるんだ。ドアを閉めたけど、外はまだまだ寒いからね。この話しも、そんないつもより寒かった日にあった事なんだけどね……ある男の人がお金持ちの家に盗みに入る所から始まるんだ」
「えっ、泥棒!?悪い人の話し?」
血や怖い話しが苦手な少女は、ぶるぶる身をすくめる。
「いいや、まあ最後まで聞いてくれ」
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