転校生からの贈り物

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転校生からの贈り物

ある日の夕食の団欒のひとときのこと。 中学生の一人娘が転校生と友達になったと満面の笑顔で話した。 娘は内向的な性格で、唯一の友はピアノだった。 そんな娘が、その転校生とは初対面で心をわかり合えたと言うのだ。 不思議なことでだが、とにかく私も妻も安心した。 さらに娘は転校生から風変わりな贈り物までもらっていたのだ。 それは古い映画のビデオだった。 『ノストラダムスの大予言』 私は就寝前に、その映画のことが気になり、ネットで調べたら奇妙なことがわかった。 その映画は、現代社会の終末を描くショッキングな内容のため発禁版となり、今では観ることができないはず。 それを居間にいる娘に教えようと二階から降りて行くと、娘は一人暗い部屋で食い入るように、その映画を観ていた。 翌朝、私は微熱があり体調がすぐれなかったが、その日は会議があるため薬を飲んで出勤した。 会議は予定どおり午後から10階の会議室で始まったが、高熱で朦朧(モウロウ)とする私は窓の外を眺めているだけだった。 そのとき気づいたのだ。 手前のビルの屋上のへりに一人の少女が立ち、私をじっと見つめていることに。     
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