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小雨が降りやまない、午前0時。
行きたくもない飲み会に付き合わされもうこんな時間。本当に時間を無駄にした。ただ上司の悪口を延々聞かされた。
でも断る事はできない、れなは1番新人だから。先輩社員の誘いを断るなんて言語道断あり得ないのだ。
とにかく早く帰って寝よう。明日も早いんだからと思いながら、電車を降りて線路下のトンネルをくぐって歩いていると、何やら嫌な気配を感じる。
そう思ってれなが振り返ると、長い黒髪の女性がうずくまっていた。
「うううう」
なんか様子が変だ。
「大丈夫ですか?」
そう聞くと女性が、かすれた声で答えた。
「私を助けてくれるの? 」
なんでそんな風に聞かれるかのか不気味だった。
「え・・・・はいそうです。大丈夫ですか? 」
女性は少しれなに顔を向けて話した。
「じゃあまた迎えにいくから・・・」
よく分からない事を言われたので、
「はい? 」
と聞き直した後、一瞬目をそらして首をかしげ、また目線を女性に向けるが、そこに女性はいなかった。
「え・・・・」
さっきまでいたのはずなのに。
れなは血の気が引いた顔を浮かべ、体を一瞬ぶらつかせ、そのまま走って帰った。
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