嫌いだったのに

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しかし、娘に亡夫に似ていたから後を追ってきたとは言えずに「そんな人いたの。知らなかったわ。」と嘘をついてタピスリーの感想を三人で話した後に娘の交際相手から「ミエさんと結婚を前提に交際することを許して下さい。」と突然言われて、何だか天国の夫がここまで導いてくれたのか、彼も娘のカレシの顔を見たかったのだろかと不思議な気持ちに浸っていた。そうして三人で少し早めの夕食にして、なかなかの好青年にミチは満足していた。帰り道に娘と二人でパパが生きていたら賛成したかなと笑ったが、もしかしたらビミョーだったかなと思ってもこの世に居ない人の感想は聞けない。しかし、ミチはもう一度で良いから逢いたかった。もう一度夫婦の氷河期の氷をアイスピックで砕いてオンザロックで二人で悪酔いしたかった。
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