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「誰でも何らかの憑依霊はありますが、
貴方の場合は生まれつき、
運命と宿命に支配されています」
「それは・・・カルマ?」
僕の問いに、深く頷く。
「私の霊能力からすれば、貴方に
取り憑いた霊は、太古の霊・・・」
「どうすれば、治りますか?」
僕の必死の問い掛けに、ヒミコは紫色の
布生地で水晶玉を磨き始めた。
そして、一連の儀式が終了すると。
「この水晶玉には、憑いた霊を吸い取らせ
ると同時に、ポジティブなパワーを
送ります」
その言葉を信じて、僕は固唾を呑んだ。
今度は彼女が水晶玉を両手で撫でながら、
マントラのような呪文を唱えだした。
すると、眩暈と同時に気が遠くなるような
感じになり、目の前が真っ暗になって
しまった。
どれ程の時間が経ったのだろうか、
気がつき眼を開けると、何ら変わった
様子は無い。
しかし、何だか肩が軽くなったような
気がした。
目の前のヒミコが僕の方をジッと
見詰めて微笑んでいた。
「これでもう大丈夫ですわ、貴方の邪霊は
消えて無くなりました。そして、龍神様の
エナジーが注入されました。病気も
だいぶ改善されるでしょう」
訳も分からず、僕はコクリと頷いた。
「先程の、カルマとは何でしょうか?」
唐突ながら、僕は聞いてみた。
「貴方のは集団のカルマですわ、それは、
過去世と関係があります」
「集団のカルマ?」
ヒミコが、吐息を漏らした。
「太古の文明、アトランティスやムー文明
などは、邪霊が地上を覆い尽くした為に
滅んだのです。霊が人々に取り憑いて
世の中を混乱させました。その結果、神の
怒りをかい、大陸が沈んでしまいました」
「確かに、ノアの方舟伝説もそのひとつ」
彼女が、頷きながら。
「20年程前から年間3万人の自殺者が出たと
警察から発表されてますが、実際は
10万人以上の自死者が出ていました」
「1年間に、10万人の自殺者?」
思わず僕は、声が裏返ってしまった。
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