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「貴方の目から見ればそうかも知れないけど、
その言葉に賭けるほど私はギャンブラーじゃない。
それに、
例えプラスにならなくても、
マイナスにもならないでしょ。
ならリスクを避ける方を選ぶわ」
そう言うと、
満留は首に提げている黒い人形を外した。
「ノウマク サンマンダ バザラダン カン!」
真言を唱えると人形は炎に包まれ、
瞬く間に満留の手の中で一握りの灰になった。
「これがもう敵意の無い証拠よ。
じゃあね、
貴方は無防備な女を背中から襲ったりしないでしょ?」
「生憎おれはフェミニストとじゃない」
「それでも貴方を信じるわ」
満留は踵を返し、
悠輝に背を向け次大夫堀公園から出て行った。
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