〔二二〕鬼多見奇譚

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「貴方の目から見ればそうかも知れないけど、 その言葉に賭けるほど私はギャンブラーじゃない。  それに、 例えプラスにならなくても、 マイナスにもならないでしょ。 ならリスクを避ける方を選ぶわ」  そう言うと、 満留は首に提げている黒い(ひと)(がた)を外した。 「ノウマク サンマンダ バザラダン カン!」  真言を唱えると人形は炎に包まれ、 瞬く間に満留の手の中で一握りの灰になった。 「これがもう敵意の無い証拠よ。  じゃあね、 貴方は無防備な女を背中から襲ったりしないでしょ?」 「生憎おれはフェミニストとじゃない」 「それでも貴方を信じるわ」  満留は(きびす)を返し、 悠輝に背を向け()()(ゆう)(ぼり)(こう)(えん)から出て行った。
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