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ところが、
最後の一撃をアメノウズメは振り下ろさない。
どうした?
式神の姿が突然消えた。
「私の負けだわ」
お手上げというように両手を挙げ、
満留が唐突に言った。
「何のマネだ?」
悠輝は油断せず験力を拳に溜め続ける。
雨音がやけに大きく聞こえる。
「わからない? 貴方が命を捨てる覚悟をした時点で私の負けなのよ」
「だったら好都合だろ? どちらにしろ、
おれを殺せる」
「そんな事をして何になるの? 言ったでしょ、
私は鬼多見法眼を敵に回すほどバカじゃないって」
法眼の名を出され悠輝はイラついた。
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