〔二三〕沙絢のマンション

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〔二三〕沙絢のマンション

 刹那は永遠を連れ、 沙絢の部屋に戻った。  二人ともボロボロで泥だらけだったため、 皆に心配をかけてしまった。  沙絢は直ぐに警察に連絡しようとし、 刹那と永遠は慌てて止めた。  鬼多見がここにいるという事は、 アークソサエティの件は方が付いたのだろう。 しかし、 詳細が判らないので安心出来ない。 それに、 鬼多見と満留は戦っている。 呪術合戦なのか肉弾戦なのか判らないが、 下手をすれば鬼多見が満留を殴りつけている時に警官が到着という事もあり得る。  そうすれば鬼多見は確実にお縄だ。 アークの支部を潰した時も何とかしたようだが、 今度の相手は芦屋満留だ。 彼が使える手は、 満留も使えるはずだ。 アークよりもある意味厄介かも知れない、 警察はギリギリまで介入させない方が良い。 「じゃあ、 せめて手当を」  沙絢は段ボールを開けようとした。 「だいじょうぶですッ、 せっかく片付けたのに!」 「何言ってるのッ、 役者は顔が命でしょ! それに、 そんな血だらけの顔、 誰かに撮られてもしたら、 仕事に支障が出るかも知れないわよッ」  SNSで何でも拡散する世の中だ、 この部屋に入るまで誰にも見られなかったと思うが油断してた。     
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