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今も怖くて堪らない、
亜矢たちが撮影に来ているのは首都近郊にある廃墟のホテルだ。
荒れ方から何年も放置されているみたいだが、
スタッフに聞いたところ特に怪現象の噂などは無いらしい。
撮影許可が下りたので放送作家がストーリーを考えたとの事だった。
わたしを怖がらせないためのウソなのかも……
何かしらの悪霊が存在していもおかしくない、
そう思わせる雰囲気がこのホテルにはあった。
亜矢は湧き上がる恐怖を心の隅に追いやった。
今は仕事中だ、
集中しなければならない。
「その霊って、
怒ってるの? オレたちに出てけって言いたいの?」
「勝手に入ってきたわたしたちを快くは思っていませんね、
そっとしておきましょう」
「あぁ~、
やっぱやめようッ、
もう帰った方がいいってッ!」
リョータがカメラの後ろにいるディレクターのに向かって言う。
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