〔一〕廃墟のホテル

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「ダメっスね、 予備のカメラ取ってきます」 「頼むわ」  竹田がカメラを取りに行くと、 大西はリョータと話し始めた。 「本格的な心霊番組になってきた」と嬉しそうな大西に対してもリョータは軽く応じているだけだ。 「亜矢ちゃん、 この仕事が終わったら時間ある?」  安倍が意味深長な笑みを浮かべて聞いた。  あるも何ももうすぐ夜の一〇時になる、 恐らく撮影が終わる頃には明日になっているはずだ。  あとは帰って寝るだけ、 その後のスケジュールは安倍が把握している。 それが彼の仕事なのだら。 「はい、 大丈夫です」 「じゃ、 今後の仕事について……」 「うわぁッ!」  突然、 闇の中にリョータの悲鳴と何かが落ちてきた音が響いた。
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