【第2章】異世界

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「……レイラ、それは僕の……だろ、……」 「ちょっと…い…じゃない」 周りがうるさくて目が覚めた。 すぐに飛び込んできたのは、綺麗な絵の描かれた天井と、大きな窓。 そして、その天井に手を伸ばす小さな手だった。 これは僕の手か。にしても小さいなぁ。やけに白いし、しわっしわだ。 しばらく天井に向かって手をグーパーしていると、周りで騒いでいた子供が気づいてやってきた。僕の兄姉のようだ。そのうちの1人に抱き上げられる。 「起きたのねイヴ、おはよう」 「イヴ、手をグーパーしてる…どんな夢を見てたの?」 「お母様、後であたしもイヴのこと抱っこしていい?」 口々に囲む。イヴっていうのが名前かな。僕を囲む3人は、それぞれ高級そうな、可愛らしい服を着ていた。 (わあ、これは期待出来るかな…もしかして、お金持ちな家だったり?) と、思わずニマニマしてしまう。 呑気な僕だけど、寝起きにこれはキツイ。 と、側にいたらしい女の人が、気づいてやってきた。 「あんまりイヴを囲んじゃダメよ、泣いちゃうわ」 (……もっと早く来て欲しかった) 鮮やかな青いドレスを身にまとうその人は、僕の母親かな?すっごい美人。 僕を抱いていた男の子から僕を抱きとり、テーブルに置いてあった幼児用の服を手で引き寄せた。 (……!?) 驚いて口からヨダレが垂れる僕の口を拭き、服を広げると、僕に着せた。一瞬で。 いや、ホントだよ?ちょっと瞬きして、目を開けたらもう着替えてたんだって!! …………ああ、僕ホントに異世界に転生したんだなぁ。
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