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『カイくんの転生する異世界には、人間族、獣人族、妖精族など、多様な種族が存在しています。その中から、ランダムに転生することになります。
?転生後の種族は選ぶことはできませんが、こちらからのせめてもの償いということで、あなたの容姿や魔力、知力についてはこちらで少しばかり干渉させていただきます。
しかし、干渉できる範囲は少なく、転生先の家庭は選べませんので、お知りおきください。
言語は下界とは異なりますので、不便のないよう、初期スキルとして添付しておきますね。』
僕にそう説明しながら、天使は地面(?)に、何か記号を描いていた。説明と同時に書き終える。複雑な形をした文字のようなものが丸く円状に連なっているそれは、アニメやマンガで見ていた魔法陣そのものだった。
気になって見ていると、急に光りだす。最初は淡く光っていたんだけど、だんだん眩しくなった。最後に、一瞬だけものすごい光りを放って、輝きを失う。その後、そこに残っていたのは、綺麗な魔法陣じゃない。底なしに感じられる、大きな穴だった。ーー穴?
見ているものが信じられなくて、僕は天使に視線で訴えた。
『………?(微笑)』
美しい微笑でスルーされる。え、これ何?話の流れからして、多分僕が落とされるか、飛び込むかするんだよね!?心の中に浮かんだ叫びに、「穴に入る」という選択肢しかないことに気づいて、その場で頭を抱えた。
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